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店舗売却時にかかる4つの税金と計算方法は? 個人と法人の違いなど徹底解説

2026-10-23 14:58:12.0 更新

長年経営してきた店舗を売却・閉店する際、多くの方が直面するのが「税金」や「退店費用」の壁です。無事に店舗の買い手が見つかったと思っても、個人と法人で異なる税金の計算方法を知らなかったために、後から多額の税金を請求されてしまうケースは少なくありません。この記事では、店舗売却時にかかる4つの税金の基礎知識や確定申告の注意点に加え、過去のサポート事例を基にした「手元に資金を残すための具体的なシミュレーション」を分かりやすく解説します。

この記事は、こんな人におすすめです。

・店舗の売却や閉店を具体的に検討し始めている方
・個人事業主と法人で異なる税金の計算方法や確定申告の注意点を知りたい方
・譲渡所得の控除など、活用できる税制上のルールを正しく把握したい方
・「売却額-税金-退去費用=手元に残る資金」の具体的なシミュレーションを見たい方
・できるだけ無駄な出費を抑えて、次のステップへ進みたい方

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店舗売却にかかる税金の全体像を把握する

店舗を売却して手放す際、まずはどのような税金がかかるのか全体像を把握することが大切です。

店舗売却には大きく分けて2つの種類があります。1つ目はお店の経営権やノウハウを含めて丸ごと売却する「事業譲渡」、2つ目は内装や厨房設備などの資産のみを売却する「造作譲渡」(居抜き売却)です。それぞれ課税対象が異なるため、ご自身の状況がどちらに当てはまるのかを確認したうえで、どんな税金を支払う必要があるのかを理解していきましょう。

売却の形態によって税務上の扱いが変わる

店舗の売却形態は、取引の内容によって税務上の扱いが大きく変わります。お店ごと売る「事業譲渡」は、お店の設備だけでなく、従業員との契約、取引先、ブランド力など、事業そのものを引き継ぐ方法です。有形・無形のさまざまな資産が売買されるため、それぞれに対して複雑な税務処理が必要になります。

一方、設備だけを売る「造作譲渡」は、内装や空調設備、厨房機器といった有形固定資産のみを売却する方法です。一般的に店舗の「居抜き売却」と呼ばれるものはこの造作譲渡に該当することが多く、売却する資産が明確なため、事業譲渡に比べて税務上の扱いが比較的シンプルになります。

個人事業主と法人で異なる税金の仕組み

店舗を経営しているのが個人事業主か、あるいは法人(会社組織)かによっても、売却益に対する税金の仕組みは異なります。個人の場合は店舗売却によって得た利益に対して所得税が課せられます。一方、法人の場合は、売却益が会社の利益として計上され、法人税が課せられることになります。同じようにお店を売却したとしても適用される法律や計算式が異なるため、自分に当てはまる計算方法をあらかじめ確認しておくことが重要です。


画像素材:PIXTA

店舗売却時にかかる4つの税金と計算方法(個人・法人別)

店舗売却に関わる税金は主に、印紙税、消費税、譲渡所得税、法人税の4つです。売却の形態や経営主体によって支払うべき税金が異なりますので、以下の比較表で全体像を確認し、ご自身に該当する箇所を拾い読みしてみてください。

【店舗売却にかかる4つの税金一覧】

税金の種類 対象者 課税対象となるもの
印紙税 個人・法人共通 譲渡契約書(売買契約書)に記載された契約金額
消費税 個人・法人(課税事業者の場合) 課税対象となる資産(内装、設備、備品など)の売却額
譲渡所得税 個人事業主のみ 店舗設備の売却によって得た利益(特別控除あり)
法人税 法人のみ 売却益を含めた会社の事業年度全体の利益

契約書作成に必要な印紙税の金額と注意点

売買契約書を作成する際には印紙税がかかります。これは税務署に直接払うのではなく、契約書に収入印紙を貼付し、消印をすることで納税したとみなされるものです。

金額は契約書に記載された売買金額によって段階的に決まります。たとえば、契約金額が100万円を超えて500万円以下の場合は2000円、500万円を超えて1000万円以下の場合は1万円というように変動します。印紙を貼り忘れると過怠税というペナルティが科せられるため注意が必要です。

【参考】 国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

設備の売却にかかる消費税の計算方法と確定申告

内装や厨房機器などの設備、つまり有形固定資産の売却額には消費税がかかります。ただし、売却額のすべてに消費税がかかるわけではありません。土地の権利や保証金などは非課税対象となるため、何が課税対象で何が非課税なのかを明確に区分して計算する必要があります。また、店舗を売却した経営者が消費税の課税事業者である場合、設備の売却で受け取った消費税も通常の売上と同様に確定申告を行って国に納める義務があります。

個人事業主の売却益にかかる譲渡所得税の計算と特別控除

個人事業主が長年やったお店を売る場合、その売却益は事業所得ではなく「譲渡所得」に該当します。ここで超重要となるのが、所有期間が5年を超えているかどうかで税率が約2倍も変わる点です。

所有期間が5年以内の場合は「短期譲渡所得」、5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、長期の方が税金の負担が大幅に軽くなります。さらに譲渡所得には最大50万円の特別控除枠が設けられています。売却額から取得費と譲渡費用を引き、そこから50万円の特別控除を差し引いた金額が課税対象となるため、税金を安くする制度として必ず確定申告で活用しましょう。

【参考】国税庁「No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)」

法人の売却益にかかる法人税の計算と確定申告のポイント

法人の場合、売却益単体で税金がかかるわけではありません。店舗の売却益は他の事業利益と合算されて「法人税」が計算されます。もし本業の業績が悪く赤字が出ていた場合、店舗の売却益とその赤字を相殺(損益通算)することができるため、結果的に法人税の負担を抑えられるケースもあります。

決算期に向けて会社全体の収支バランスを見極めることが大切です。※経理方式(税抜経理方式か税込経理方式か)によっても処理が変わるため、最終的には税理士への確認を推奨します。


画像素材:PIXTA

税金だけじゃない、店舗手放し時の落とし穴と退店費用

店舗を手放す際、税金以上に経営者を苦しめるのが「退去時の費用」です。いくら良い条件で売却益が出ても、退店費用がそれを上回ってしまえば手元資金が減る大きな要因となってしまいます。

重くのしかかる原状回復工事の費用相場

賃貸契約の多くは、退去時にコンクリートむき出しの状態に戻す「スケルトン戻し(原状回復)」が義務付けられています。解体工事にかかるお金は、店舗の業態や立地によって異なりますが、一般的に坪単価で数万円から十数万円のコストがかかります。中規模の店舗であれば数百万円という高額な出費になるのが相場です。

途中解約による違約金や空家賃の発生

お店を閉めても家賃を払い続ける必要があるのかという疑問を持たれる方も多いですが、契約期間内の解約には数ヶ月前の解約予告が必要であり、退去完了までの空家賃が発生します。さらに、中途解約による違約金が設定されていることもあり、これらが利益を大きく圧迫する要因となります。

費用と税金を抑えて資金を残す最適な店舗売却シミュレーション

高額な退店費用や税金による出費を抑えるために有効なのが、「居抜き」を活用した店舗売却です。単に売却・退去するのではなく、居抜きを活用することで退店費用を大幅に削減し、最終的に手元に残る資金を最大化することができます。

手元に残る資金が劇的に変わる具体的なシミュレーション例

過去のサポート事例を基に、トータルでいくら手元に残るのか具体的なシミュレーションを比較してみましょう。

例えば、造作の売却額が300万円の場合を想定します。通常通りスケルトンに戻して退去した場合、造作は廃棄するため売却益はゼロになります。さらに原状回復工事に250万円、空家賃などに100万円がかかると、合計で350万円の赤字(持ち出し)となってしまいます。

一方、居抜きを活用して造作を300万円で売却できた場合、原状回復工事の250万円が丸々不要になります。税金に関しても(※取得費や譲渡費用を考慮し、特別控除を適用した場合、税金は約10万円〜30万円程度に収まるケースが多いです)、退去費用がゼロになるだけでなく、税金を差し引いても250万円以上の資金が最終的に手元に残る計算になります。このように、どちらの選択をするかで手元に残るお金が劇的に変わります。

原状回復が不要になる「居抜き」による譲渡のメリット

スケルトンにせずに退去する方法として選ばれる居抜き譲渡は、次のテナントに内装や設備をそのまま引き継ぐ仕組みです。これにより、高額な解体工事を回避しつつ売却益を得ることができます。退去する側と新しく入居する側の双方にとって無駄がなく、費用対効果が高いのが大きなメリットです。

居抜き売却を成功に導く専門業者への相談

居抜き売却は非常にメリットが大きい反面、税金の正確な計算や貸主(大家さん)との居抜き承諾交渉など、専門的な知識と交渉力が求められます。個人で進めるのは難しいため、確実に行うなら店舗売却の専門業者に任せるのが一番です。

プロに相談することで、適正な査定からスムーズな引き継ぎまでをサポートしてもらえます。まずは無料査定などを活用し、どれくらいの価値があるのか確認してみることをおすすめします。

よくある質問

Q.所有期間5年以内と5年超で譲渡所得税はどう変わりますか?
A.個人事業主の場合、店舗設備などの所有期間が5年以内の場合は「短期譲渡所得」、5年を超える場合は「長期譲渡所得」となります。長期譲渡所得は課税対象となる所得金額が半分になるよう計算されるため、5年以内の売却に比べて税金の負担が実質的に約半分に軽減されます。

Q.50万円の特別控除はどうすれば受けられますか?
A.個人事業主が店舗の造作などを売却して利益が出た場合、譲渡所得の計算上、自動的に最高50万円を差し引くことができます。確定申告の際、譲渡所得の申告書に正しく記入して申告することで適用されます。

Q.法人の場合、店舗の売却益だけで税金が計算されるのですか?
A.法人の場合は、店舗の売却益も会社の益金(収益)の一部として扱われます。そのため、売却益単体ではなく、その事業年度の営業利益など他の収支とすべて合算されたトータルの利益に対して法人税が計算されます。

Q.設備の売却額すべてに消費税がかかるのでしょうか?
A.内装や厨房機器などの有形固定資産の売却額には消費税がかかりますが、土地の権利(借地権など)や保証金の返還などは非課税取引となります。課税対象と非課税対象を明確に分けて計算する必要があります。

Q.居抜きで売却したい場合、まず誰に相談すべきですか?
A.まずは店舗の居抜き売却を専門に扱っている業者に相談することをおすすめします。貸主(大家さん)への交渉から、買い手探し、税務上のアドバイスまで、複雑な手続きをサポートしてくれます

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この記事を監修した人

三宅 宏通

株式会社ウィット 代表取締役

飲食業界に特化したM&Aサービスを主業とし、2007年株式会社ウィットを設立。

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