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店舗売却とは? 居抜きなど基礎知識から成功させるポイントまで解説

2025-07-29 16:59:39.0 更新


画像素材:PIXTA

「店舗売却」とは、飲食店やサロンといった自身の店舗を売却するという、経営戦略上の選択肢の一つです。「店舗売却」は閉店や経営規模の縮小といったネガティブな理由だけでなく、より大きな店舗を作るための原資を作りたいときなど、事業を次のステージへ進めるための有効な戦略となり得ます。しかし、店舗売却を成功させるためには、自店の価値を正しく把握し、最適なタイミングで買い手へアピールすることが不可欠です。準備不足のまま進めてしまい、本来得られたはずの利益を逃してしまうケースも考えられます。

本記事では、店舗売却の基本的な知識から、具体的な手順、査定額を最大化するコツまで、専門家の視点で分かりやすく解説します。

■この記事は、こんな人におすすめです
・店舗売却に関する基礎知識を知りたい方
・飲食店の店舗売却を考え始めたばかりの経営者
・すでに売却準備を進めているが、買い手が見つからず悩んでいる方
・閉店コストをかけずに、むしろ売却益を得たいと考えている方

【記事の目次】
・「店舗売却」とは?
・店舗売却の2つの方法とメリット・デメリット
・居抜き売却の流れ
・M&A(事業承継)による店舗売却の流れ
・店舗売却の相場
・店舗売却の費用と税金
・店舗売却を成功させるための6つの重要ポイント
・店舗売却成功事例
・店舗売却を考えたら、まずはオンライン無料査定を

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「店舗売却」とは?

店舗売却は、そのまま「店舗を他人に売ること」ですが、その言葉以上の意味を持つ、重要な経営戦略のひとつです。まずはその定義と、どのような状況で有効な選択肢となるのかを解説します。

定義、譲渡との違い

「店舗売却」とは、店舗の設備や内装、場合によっては従業員や顧客リスト、ブランドイメージといった無形の資産も含めて、第三者に売り渡す行為を指します。
よく似た言葉に「譲渡」がありますが、売却が金銭の対価を伴うのに対し、譲渡は無償の場合も含む、より広い概念です。事業承継の文脈では「事業譲渡」という言葉が使われ、これは店舗売却の一つの形態と捉えることができます。
重要なのは、何をどこまで売却の対象とするかです。物理的な資産だけでなく、事業そのものを売却するのかによって、その手法や価値は大きく変わります。

どんな時に店舗売却が選択肢になる?

店舗売却は、様々な経営状況で有効な選択肢となり得ます。
・後継者不在による事業承継
長年続けてきた事業を、後継者がいないためにやむなく閉店するのではなく、意欲のある第三者に引き継いでもらうケースです。
・事業の選択と集中
複数の店舗を経営している場合に、不採算店舗を売却し、主力店舗や新事業に経営資源を集中させたい時。
・ハッピーリタイア(アーリーリタイア)
順調な事業を良い条件で売却し、早期にリタイアして新たな人生を歩みたいと考える経営者も増えています。
・資金調達
新規出店や事業拡大のためのまとまった資金が必要な際に、既存店を売却して原資を作る戦略です。
・経営不振からの撤退
赤字が続き、これ以上の経営継続が困難な場合でも、閉店して原状回復費用を支払うのではなく、売却することでコストを抑え、場合によっては売却益を得て再起を図ることが可能です。

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店舗売却の2つの方法とメリット・デメリット

店舗売却には、大きく分けて「居抜き売却」と「M&A(事業承継)」の2つの方法があります。それぞれに特徴があり、どちらを選択すべきかは状況によって異なります。

居抜き売却・M&Aの比較表

比較項目 居抜き売却 M&A(事業承継)
売却対象 内装、厨房設備、什器備品などの「物的資産」 物的資産に加え、屋号、従業員、レシピ、顧客情報、経営権などの「無形資産」
売却価格 造作物の価値がメイン(数十万~数百万円) 営業利益(のれん代)が加味されるため高額になる傾向(数百万円~数千万円以上)
売却期間 比較的短い(1ヶ月~6ヶ月程度) 比較的長い(6ヶ月~1年半程度)
手続き 比較的シンプル 複雑で、専門家のサポートが推奨される
メリット ・早く現金化しやすい
・閉店コスト(原状回復費)を削減できる
・高額売却が期待できる
・従業員の雇用やブランドを守れる
デメリット ・M&Aに比べると売却価格は低い
・ブランドや屋号は残せない
・手続きが複雑で時間がかかる
・買い手を見つけるのが難しい場合がある

居抜き売却

「居抜き売却」とは、店舗の内装や設備、什器備品などをそのままの状態で次の借主に売却する方法です。

メリット

■閉店コストが削減できる
通常、賃貸物件を解約する際には、内装などをすべて解体・撤去して入居時の状態に戻す「原状回復義務」があり、高額な費用がかかります。居抜き売却なら、この費用を大幅に削減できます。
■内装や設備も売却益に加わる
内装や設備を「造作物」として買い取ってもらうことで、本来は費用をかけて処分するはずだったものから収益を得られます。
■スピーディーに売却できる
買い手にとっても、初期投資を抑えてスピーディーに開店できるメリットがあるため、比較的早くマッチングしやすい傾向にあります。

デメリット

■売却価格の上限
あくまで「物」としての価値が評価の中心となるため、M&Aに比べると売却価格は低くなるのが一般的です。
■貸主(大家)の承諾が必要
居抜きでの売却(造作譲渡)を認めていない貸主もいるため、事前に賃貸借契約書の確認と承諾が不可欠です。
■設備の不具合によるトラブル
売却後に設備の故障などが見つかった場合、買い手との間でトラブルに発展する可能性があります。

M&A(事業承継)による売却

「M&A(Mergers and Acquisitions)」による売却は、店舗の設備だけでなく、屋号(ブランド)、従業員の雇用、運営ノウハウ、顧客リストといった「事業そのもの」を包括的に売却する方法です。

メリット

■高額での売却が期待できる
設備の価値に加え、事業が生み出す収益力(営業利益)が「のれん代(営業権)」として評価額に上乗せされるため、居抜き売却よりも高値での売却が期待できます。
■従業員やブランドを守れる
長年共に働いてきた従業員の雇用を維持でき、大切に育ててきた店の名前や味、サービスを後世に残すことができます。
■顧客への影響が少ない
経営者が変わっても店は存続するため、常連客をがっかりさせることなく、スムーズに事業を引き継げます。

デメリット

■複雑な手続きと時間
財務状況の分析や企業価値評価、法的な手続きなど、プロセスが複雑で専門知識を要するため、完了までに時間がかかります。
■情報管理の難しさ
売却交渉を進めていることが従業員や取引先に漏れると、混乱や不安を招く可能性があるため、慎重な情報管理が求められます。
■買い手探しの難航
事業全体を引き継ぐという特性上、買い手の条件も厳しくなり、マッチングが難航するケースもあります。

居抜き売却の流れ(期間目安:1ヶ月~6ヶ月)

居抜き売却を成功させるには、計画的なスケジュール管理が重要です。ここでは、一般的な流れと期間の目安を解説します。

売却相談

まずは、居抜き売却の専門家や仲介会社に相談することから始まります。自店の状況を伝え、売却の可能性や進め方についてアドバイスを受けましょう。この段階で複数の会社に話を聞き、信頼できるパートナーを見つけることが成功の鍵です。専門サービスを利用することで、煩雑な手続きや交渉を代行してもらえ、精神的な負担も大きく軽減されます。

査定

専門家が実際に店舗を訪れ、立地、内装、設備の状況などを細かくチェックし、売却価格(造作譲渡価格)を算出します。厨房設備のメーカーや型番、導入時期などをまとめたリストを用意しておくと、査定がスムーズに進み、より正確な評価に繋がります。

買い手の募集

査定額に納得したら、正式に仲介を依頼し、買い手の募集を開始します。専門のマッチングサイトへの情報掲載や、仲介会社が抱える独自のネットワークを通じて、購入希望者を探します。この際、店の情報が公になりすぎないよう、内密に進めてくれる会社を選ぶことが重要です。

交渉

購入希望者が見つかると、内覧が行われます。その後、価格や引き渡し条件など、具体的な交渉に入ります。希望条件を明確に伝えつつも、相手の要望にも耳を傾け、柔軟な姿勢で落としどころを探ることが、スムーズな合意形成に繋がります。

契約の締結

双方の条件が合意に至ったら、「造作譲渡契約」を締結します。この契約書には、譲渡する造作物の内容、金額、支払い方法、引き渡し日、瑕疵担保責任(売却後の不具合に関する責任)の有無などが明記されます。後々のトラブルを防ぐためにも、契約内容は細部までしっかりと確認しましょう。

引き渡し

契約内容に基づき、店舗の鍵や関連書類などを買い手に渡し、売却代金を受け取ります。併せて、貸主と買い手との間で新たな賃貸借契約が結ばれることを確認し、自身の解約手続きを完了させれば、居抜き売却は無事終了です。

M&A(事業承継)による店舗売却の流れ(期間目安:6ヶ月~1年半)

M&Aによる店舗売却は、より戦略的で複雑なプロセスを辿ります。専門的なM&A仲介サービスなどを活用しながら進めるのが一般的です。

準備

まず、M&Aの専門家に相談し、自社の強みや課題を分析します。売却の目的を明確にし、希望する条件(売却価格、従業員の処遇など)を整理します。その後、買い手候補に提示するための「企業概要書(ノンネームシート)」や、より詳細な「企業情報開示資料(インフォメーション・メモランダム)」を作成します。

マッチング

仲介会社が独自のネットワークやデータベースを活用し、秘密裏に買い手候補を探し、アプローチします。関心を示した候補企業とは秘密保持契約(NDA)を締結した上で、詳細な情報を開示します。この段階で、複数の候補先と面談を行い、経営理念やビジョンが合致するかどうかを見極めます。

交渉

トップ同士の面談で大筋の合意が得られたら、売却価格やスケジュール、最終契約に向けた条件などを定めた「基本合意書」を締結します。その後、買い手側による詳細な調査「デューデリジェンス(買収監査)」が行われます。これは、財務、法務、税務など多岐にわたるリスクを洗い出すための精密検査です。

契約の締結

デューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な条件交渉が行われます。双方が合意に至れば、法的拘束力を持つ「最終契約書(事業譲渡契約書など)」を締結します。この契約書は非常に専門的かつ複雑な内容となるため、弁護士などの専門家によるリーガルチェックが不可欠です。

クロージング

最終契約書に定められた条件がすべて満たされた後、株式の譲渡や事業資産の移転、そして売却代金の決済が行われます。これが完了すると、経営権が正式に買い手へ移り、M&Aの全プロセスが終了します。その後も、スムーズな事業の引き継ぎのために、一定期間、売り手がアドバイザーとして関与することがあります。


画像素材:PIXTA

店舗売却の相場

店舗を売却する上で最も気になるのが「いくらで売れるのか?」という点です。売却相場は、売却方法や店舗の状況によって大きく変動します。

基本的な評価額の計算方法

店舗の評価額は、主に以下の要素を組み合わせて算出されます。
・時価純資産価額
店舗が保有する資産(内装、設備、在庫など)の時価から、負債を差し引いたものです。これは、いわば会社の「解散価値」を示します。
・営業権(のれん代)
ブランド力、技術力、顧客基盤、立地条件など、目に見えない無形の価値を金額に換算したものです。一般的には「営業利益の3~5年分」が目安とされますが[1]、事業の安定性や将来性によって大きく変動します。


[1] 出典: 中小企業庁 「M&A入門」P.8



店舗売却における査定のポイント

査定では、以下のような点が総合的に評価されます。
・立地条件
駅からの距離、周辺の環境、人通り、競合店の有無など。
・内装・外装
清潔感、デザイン性、動線の良さ、メンテナンス状況。
・厨房設備
メーカー、型番、使用年数、メンテナンス状況、機能性。
・財務状況(M&Aの場合)
売上、利益率、キャッシュフローの安定性、将来性。
・許認可・契約関係
賃貸借契約の内容(残存期間、譲渡の可否)、各種営業許可の状況。

居抜き売却の場合

居抜き売却の価格は、主に「造作物の価値」で決まります。新品同様で人気の高い設備が揃っていれば高評価に繋がりますが、老朽化が進んでいる場合は、ほとんど値段がつかないこともあります。相場としては数十万円から300万円程度が一般的ですが、立地や内装の状態によってはそれ以上になるケースもあります。
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M&Aの場合

M&Aの場合は、前述の「時価純資産価額」に「営業権(のれん代)」が上乗せされます。この営業権を含めた事業価値を評価する際、実務でよく用いられるのが「EBITDAマルチプル法」です。
EBITDA(イービットディーエー)とは、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて計算される利益のことで、企業の「本来の収益力」を示す指標とされます。このEBITDAに、業種や事業の安定性、将来性などに応じて決まる一定の倍率(マルチプル)を掛けて事業価値を算出します。
計算式: 事業価値 = EBITDA × マルチプル(倍率)
例えば、飲食店のM&Aでは、この倍率は3倍~6倍程度が一般的です。安定した利益が出ており、将来性が見込める店舗であれば、この手法によって数百万から数千万円、場合によっては億単位の評価額がつくことも珍しくありません。
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手元に残るお金がわかる! 店舗売却の費用と税金

店舗売却で得た金額が、すべて手元に残るわけではありません。売却にかかる費用や税金を正しく理解し、資金計画を立てることが重要です。

売却で発生する費用と仲介手数料

店舗売却を専門家へ依頼した場合、まず考えられるのが仲介手数料です。これは、売却が成功した際に仲介会社へ支払う成功報酬で、料金体系は会社により様々ですが、一般的には「売却価格の〇%」という形で設定されています。
また、特にM&Aのように手続きが複雑になる場合は、弁護士や税理士といった専門家のサポートが不可欠となり、その分の報酬も必要です。その他にも、契約書に貼付する印紙代や、売却先が決まるまでの期間に発生する家賃・水道光熱費、リース設備の解約金など、見落としがちな費用があることも覚えておきましょう。

知っておくべき税金の種類(譲渡所得税、法人税、消費税など)

店舗売却で利益(譲渡所得)が出た場合、税金が課せられます。
■個人事業主の場合
売却益は譲渡所得として扱われ、所得税・住民税が課税されます。所有期間が5年以内か5年超かで税率が大きく変わります。[2]
■法人の場合
売却益は法人の利益(益金)とみなされ、他の所得と合算して法人税が課税されます。[3]
■消費税
課税事業者である場合、建物や設備などの課税資産の売却に対して消費税が課税されます。ただし、土地や営業権(のれん代)は非課税です。
税金の計算は非常に複雑なため、必ず税理士などの専門家に相談することをおすすめします。


[2] 出典: 国税庁 「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
[3] 出典: 国税庁 「法人税」



【要注意】売却失敗時にかかる原状回復費用について

万が一、買い手が見つからずに賃貸借契約の解約期限を迎えてしまった場合、原状回復義務を履行しなければなりません。内装や設備をすべて解体・撤去し、スケルトン状態(建物の骨組みだけの状態)に戻すための費用は、坪単価で5万円~10万円以上かかることもあり、小規模な店舗でも100万円以上の高額な出費になる可能性があります。
このリスクを避けるためにも、計画的な売却活動が極めて重要です。

店舗売却を成功させるための6つの重要ポイント

少しでも高く、希望のタイミングで店舗を売却するためには、戦略的な準備が不可欠です。ここでは、成功確率を格段に上げる6つのポイントを解説します。

Point1:募集をかけるタイミングは「解約予告を出す前」に

これが最も重要なポイントです。賃貸借契約書には通常「解約予告期間(一般的に3ヶ月~6ヶ月前)」が定められています。一度、貸主(大家)に解約予告を提出してしまうと、その期間内に買い手を見つけなければならず、交渉の立場が圧倒的に不利になります。足元を見られて買い叩かれたり、最悪の場合は買い手が見つからず原状回復費用が発生したりするリスクが高まります。
必ず、解約予告を出す前に専門家に相談し、水面下で買い手を探し始めることが、有利な条件で売却するための鉄則です。

Point2:賃貸借契約書の内容を事前に必ず確認する(原状回復義務・造作譲渡の可否)

自身の賃貸借契約書がどのような内容になっているか、正確に把握していますか? 特に以下の2点は必ず確認してください。
・原状回復義務の範囲
「スケルトン返し」が原則なのか、どの程度まで許容されるのかを確認します。
・造作譲渡の可否
契約書に「造作譲渡禁止」の特約があると、原則として居抜き売却はできません。ただし、貸主との交渉次第で許可が得られるケースもあるため、まずは契約内容を把握した上で専門家に相談しましょう。
これらの内容は、売却戦略そのものを左右する重要な情報です。

Point3:自店の「価値」を客観的にアピールする資料を準備する

買い手は、あなたの店が「投資する価値があるか」をシビアに判断します。口頭での説明だけでなく、客観的なデータに基づいた資料を準備することで、説得力が格段に増します。
・居抜き売却の場合
居抜き売却の場合、内装や設備の詳細なリスト(メーカー、型番、取得時期、状態など)をはじめ、店舗のレイアウト図やメンテナンス履歴などを準備することで、買い手は具体的なイメージを描きやすくなります。
・M&Aによる売却の場合
M&Aの場合では、より詳細な経営データが不可欠です。過去3期分の決算書や試算表はもちろん、売上や客単価の推移がわかるデータ、顧客層やリピート率の分析、そしてレシピや運営マニュアルといった、事業の強みそのものである無形資産に関する資料を揃えることが求められます。
これらの資料を事前に整理し、アピールポイントを明確にしておくことが高値売却に繋がります。専門サービスに相談すれば、効果的な資料作成のアドバイスも受けられます。

Point4:内覧や交渉には柔軟な姿勢で臨む

内覧時には、店舗を最高の状態に保ち、誠実な態度で対応することが大切です。設備の長所だけでなく、注意点なども正直に伝えることで、信頼関係が生まれます。
また、価格交渉においては、こちらの希望を100%通すのは難しい場合がほとんどです。「この条件だけは譲れない」という最低ラインを決めつつ、それ以外の部分では相手の事情も考慮し、柔軟に歩み寄る姿勢が、結果的に双方にとって満足のいく契約に繋がります。

Point5:買い手が見つからない時は条件を見直す

募集をかけてもなかなか反響がない場合は、何らかの要因があるはずです。価格設定が高すぎるのか、店舗の魅力が伝わっていないのか、専門家と相談しながら原因を分析し、戦略を練り直しましょう。例えば、周辺の相場と比較して価格設定を調整したり、一部の設備を譲渡対象から外す代わりに価格を下げたり、逆に備品などを付けて魅力を高めるといった柔軟な対応が求められます。
また、募集広告の写真や紹介文を改善し、店舗の強みをより具体的に伝えることも有効です。一つの条件に固執しすぎず、市場の反応を見ながら柔軟に調整していくことが、成約への近道です。

店舗売却成功事例

ここでは、実際に店舗売却を成功させた3つの事例をご紹介します。

事例1:好立地の洋菓子店、異業種への売却で250万円の成約!

エリア: 東京都渋谷区 / 業態: 洋菓子店
京王新線「幡ヶ谷駅」から徒歩3分、活気あふれる商店街に面した好立地の洋菓子店。当初は1年ほどかけてじっくり売却先を探したいとのご意向でしたが、立地の良さから掲載後すぐに60件を超える問い合わせがあり、20組もの内見を実施。洋菓子製造の設備が整っているだけでなく、物販やサービス店にも適した造りだったことから、最終的に異業種である「眼鏡店」を出店予定の方と250万円でご成約となりました。売主様のペースを守りつつ、物件のポテンシャルが最大限に評価された好事例です。
> この事例を詳しく見る

事例2:おしゃれな内装と好立地が魅力のカフェ、希望額300万円で成約!

エリア: 東京都墨田区 / 業態: カフェ
押上駅から徒歩3分、スカイツリーに近いながらも住宅街の落ち着きを併せ持つエリアのカフェ。営業中の個人事業主オーナー様より、閉店に伴う売却のご相談をいただきました。お電話の翌日には査定を実施し、スピーディーに募集を開始。床と壁の色の使い分けやカウンターの白い椅子など、おしゃれな内装が特徴で、グリストラップやダクト設備も完備されていました。その汎用性の高さから、掲載後すぐに複数のお問い合わせがあり、最終的に弁当販売を予定されている方と、募集額通りの300万円で成約。わずか94日で希望額での売却が実現した事例です。
> この事例を詳しく見る

事例3:好立地ラーメン店、焼肉店への転身で希望額350万円を達成!

エリア: 大阪府堺市 / 業態: ラーメン店
南海高野線「三国ヶ丘駅」から徒歩4分、人通りの多い大阪環状線沿いという絶好の立地にあったラーメン店。オーナー様より売却のご相談をいただき、お問い合わせからわずか5日後に査定、スピーディーに募集を開始しました。屋上まで伸びる強力なダクト設備があり、煙や匂いを伴う重飲食にも対応可能な点が大きな強みでした。その設備が決め手となり、掲載から約2ヶ月という短期間で「焼肉店」を開業予定の個人事業主の方と、希望額通りの350万円で成約。物件のポテンシャルを活かし、異業種へのスムーズな売却が実現した事例です。
> この事例を詳しく見る

この他にも、飲食店ドットコム 居抜き売却では多数の売却実例を紹介しています。エリアや物件の坪数、階数などで細かく検索ができますので、自身の店舗に近い実例をぜひ探してみてください。
> その他の売却相場事例一覧を見る

店舗売却を考えたら、まずはオンライン無料査定を

本記事では、店舗売却の基本から、具体的な手法、成功のためのポイントまでを網羅的に解説しました。
店舗売却は、単なる閉店ではなく、これまで築き上げてきた資産を価値に変え、次のステップへと進むための前向きな経営戦略です。しかし、その成功は「正しい知識」と「適切なタイミング」、そして「信頼できるパートナー」がいるかどうかにかかっています。
特に、賃貸借契約の解約予告を出す前に動き出すことが、交渉を有利に進める上で最も重要な鉄則です。
少しでも店舗売却をお考えなら、まずは一度、無料オンライン査定を。自店の客観的な価値を知り、専門家のアドバイスを受けることで、これまで見えていなかった新たな選択肢が拓けるかもしれません。あなたの店舗の価値を最大化し、円満な売却を実現するために、私たちが全力でサポートします。

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この記事に関するQ&A

  • 可能です。信頼できる仲介会社は、情報管理を徹底し、秘密厳守で売却活動を進めます。募集の際は店舗名を特定できない形で情報を公開し、関心を持った買い手候補とのみ、秘密保持契約を結んだ上で詳細を開示するのが一般的です。

  • 可能です。ただし、売却代金で借入金を完済できるかがポイントになります。M&Aの場合は、事業の将来性などが評価されれば、買い手が債務の一部または全部を引き継ぐ形での交渉も考えられます。まずは財務状況を専門家にご相談ください。

  • 「飲食店ドットコム 居抜き売却」では、無料での査定サービスを提供しています。売却をまだ決めていない段階でも、「まずは自店の価値を知りたい」という目的で査定を依頼することは全く問題ありません。

  • リース物件は所有権がリース会社にあるため、勝手に売却することはできません。対応としては、リース契約を買い手に引き継いでもらうか、売主がリース会社に解約金を支払って契約を解消する、のいずれかになります。事前にリース会社と契約内容を確認し、交渉しておく必要があります。

  • 一般的には、店舗の業績が良い時期ほど高く売れる可能性が高まります。売上が伸びており、利益が安定しているタイミングがベストです。逆に、業績が悪化してから慌てて売ろうとすると、買い手が見つかりにくく、価格も低くなりがちです。将来的に売却を視野に入れているのであれば、業績が好調なうちから準備を始めるのが賢明です。

売却現場のQ&A

この記事を監修した人

三宅 宏通

株式会社ウィット 代表取締役

飲食業界に特化したM&Aサービスを主業とし、2007年株式会社ウィットを設立。

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