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店舗リースの途中解約(中途解約)は原則不可? 違約金の仕組みと負担をゼロに近づける解決策

2026-05-28 20:30:59.0 更新


画像素材:PIXTA

飲食店をはじめとする店舗の閉店やリニューアルを決断した際、頭を悩ませるのが厨房機器やPOSレジなどのリース契約です。「もう使わないから返却して解約したい」と考えてリース会社に連絡をしたところ、残りの期間分の高額な違約金を提示されて驚いたという経営者の方は少なくありません。

実は、リース契約は一般的なレンタルとは異なり、原則として途中解約が認められていません。しかし、正しい知識を持ち、適切な手順を踏むことで、その負担を大幅に軽減することは可能です。この記事では、リース契約が解約できない理由から違約金の仕組み、そして居抜き売却を活用して負担をゼロに近づける具体的な解決策まで、詳しく解説します。

この記事は、こんな人におすすめです

・店舗の閉店や移転に伴い、リースの途中解約を検討している方
・リース会社から高額な違約金を提示され、支払いに困っている方
・違約金の仕組みや、正しい経理処理(仕訳)の方法を知りたい方
・少しでも費用負担を減らして、スムーズに店舗を退去・売却したい方

目次

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リースの途中解約が原則として認められない理由

リースは借りているだけなのに、なぜ途中で返却して解約することができないのか、疑問に思う方も多いでしょう。結論から申し上げますと、リース契約は必要な期間だけモノを借りる「賃貸・レンタル」とは異なり、設備の購入資金を融資してもらう「金融取引」に近い性質を持っているためです。

一般的なレンタルであれば、不要になった時点で返却すれば契約終了となりますが、リース契約において途中解約は原則不可とされています。

リース会社が代わりに購入費用を立て替えている仕組み

リース契約が途中解約できない理由は、そのビジネスモデルにあります。リース会社は、自社で在庫を抱えているわけではありません。ユーザーが希望する厨房機器やシステムなどの設備を、ユーザーに代わって販売店から購入し、それを長期間貸し出す仕組みです。

つまり、リース会社は多額の購入代金をあらかじめ立て替えており、毎月の月額料金を通じて数年かけてその代金と利息(手数料)を回収していきます。そのため、途中で解約されてしまうと立て替えた代金の回収ができなくなり、リース会社が大きな損害を被ることになるのです。

【参考】公益社団法人リース事業協会「リース契約の特徴」



途中解約が認められる例外的なケース

原則不可とされているリース契約の途中解約ですが、物理的に契約の継続が不可能な場合は例外的に手続きが進められます。具体的には、契約している法人が倒産や自己破産をして事業が消滅してしまったケースや、個人事業主で契約者が死亡してしまったケースなどです。これらのやむを得ない事情においては、どうしても支払いができない状況であるため、リース会社側で物件の引き揚げや債権回収の手続きへと移行することになります。

リース契約の途中解約で発生する違約金の仕組みと相場

店舗の撤退などの理由でどうしても解約を希望する場合、高額な違約金が一括請求されることになります。結局のところ、いくら払わなければならないのか不安に感じる経営者の方も多いはずです。ここでは、違約金の相場と隠れたコストについて解説します。

違約金は「残りのリース料」と「事務手数料」

途中解約時にリース会社から請求される違約金は、契約書上では「規定損害金」と呼ばれます。この規定損害金は、基本的に残りの契約期間に支払うはずだった残存リース料の全額に相当します。計算式としては、残存リース料に物件の残価を足し、そこから未経過分の利息などを差し引いて算出されるのが一般的です。さらに解約に伴う事務手数料が上乗せされることもあり、残りの契約期間が長いほど、支払うべき金額は膨大なものになります。

店舗設備の場合は撤去や原状回復の費用も発生する

高額な違約金を支払えばすべてが終わるわけではありません。リース物件の所有権はあくまでリース会社にあるため、解約時には物件をリース会社へ返却する必要があります。この際、店舗に設置された大型の厨房機器などを取り外す工事費用や、リース会社の指定場所まで運ぶための配送費用は、すべてユーザー側の負担となります。違約金以外にもこうした撤去費用や原状回復のための隠れたコストが発生することを覚えておきましょう。

途中解約の手続きと設備返却までの流れ


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実際に解約を決断した場合、まず誰にどのような連絡をすればよいのでしょうか。ここからは、解約の検討から機器が搬出されるまでの具体的なステップを時系列に沿って確認していきます。

リース会社へ連絡し違約金の金額を確認する

解約を決めたら、第一にリース契約書の控えを手元に用意し、契約先のリース会社の担当窓口へ連絡を入れます。自分の残債が正確にいくらなのか、電話口での口頭確認だけでなく、必ず書面で違約金(規定損害金)の試算書を出してもらうことが重要です。正式な金額を書面で確認することで、今後の資金計画を立てやすくなり、言った言わないのトラブルを防ぐことができます。

解約合意書の締結と違約金の一括支払いを行う

正確な金額が確認でき、社内での決裁や支払いの目処が立ったら、続いてリース会社と「解約合意書」の締結を行います。書類に必要事項を記入し署名捺印をした後、指定された期日までに違約金を一括で振り込みます。リース会社によっては入金が確認できてからでなければ、次の機器返却ステップへ進めないことが多い点に注意が必要です。

リース物件を返却し設備の取り外しを完了させる

違約金の支払いが完了した後は、速やかにリース物件の返却手配を行います。POSレジや顧客管理システムなどの情報機器であれば、事前に責任を持ってデータ消去を行わなければなりません。また、水回りやガス管に接続された厨房機器の取り外しは、安全面を考慮して専門業者を手配する必要があります。これら返却に関わる業者の手配や日程調整も、ユーザー自身で行うのが一般的です。

リースの違約金を支払った際の勘定科目と仕訳の処理方法

高額な違約金を支払った場合、経理上どのように処理すべきか悩む経営者の方も多いでしょう。ここでは、違約金を支払った際の基本的な仕訳方法について解説します。

違約金(規定損害金)の勘定科目は「支払手数料」か「雑損失」

途中解約によって一括支払いした違約金(規定損害金)は、一般的に「支払手数料」や「雑損失」といった勘定科目を用いて仕訳を行います。

具体例として、リースの違約金50万円を普通預金から支払った場合の仕訳は以下のようになります。(※違約金は損害賠償金という性質を持つため、消費税は不課税取引として処理するケースが一般的です)

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
支払手数料(または雑損失) 500,000円 普通預金 500,000円 リース中途解約違約金として


消費税に関しては不課税となることが多いですが、契約内容によって取り扱いが異なる場合があるため、正確な経理処理については顧問税理士に確認することをおすすめします。

途中解約の違約金負担を大幅に減らす3つの解決策

ここまで解説した通り、リースの途中解約には多額のキャッシュアウトが伴います。手元に十分な資金がない場合、どうすれば負担を軽減できるのでしょうか。ここからは、高額な一括払いを回避するための現実的な解決策を提示します。

以下に、途中解約時の選択肢を比較したマトリクス表をまとめました。

解決策の選択肢 費用の持ち出し 手間の大きさ おすすめ度
違約金を払って返却 非常に大きい 中程度 ★☆☆
自社で買い取って中古販売 大きい(差額負担) 大きい ★★☆
居抜き売却でリース承継 少ない(違約金ゼロの可能性) 少ない ★★★



居抜き売却を活用してリース契約を次のテナントに引き継ぐ


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最もおすすめであり、資金流出を最小限に抑えられるのが「居抜き売却」を活用した「リース承継(引き継ぎ)」という方法です。これは、今の店舗の内装や設備をそのまま次のテナントに譲渡する際、リース契約も一緒に次の借主へ引き継いでもらう仕組みです。リース会社側も契約が継続されるため損をせず、旧テナントは違約金ゼロで撤退できる可能性があります。誰かにそのまま使ってもらうことは、双方にとって大きなメリットをもたらします。

【成功事例】 実際に、残債が200万円残っていた大型の製氷機や冷蔵庫などの厨房機器を、居抜き売却によって次期テナント(同業態の飲食店)に無事承継し、結果として違約金0円で退去できた事例も多数存在します。

リース会社に交渉して機器を買い取る

次のテナントが見つからない場合でも、払い損を防ぐ一つの手段として、リース会社に交渉して機器自体を安く買い取る方法があります。違約金を支払うことは避けられませんが、買い取って自社の所有物となった機器を、厨房機器などを専門に扱う中古業者に売却することで、売却益を違約金の支払いに充てて実質的な負担額を相殺することができます。

専門家に依頼して過大な違約金請求を減額する

もし、残存リース料を大きく上回るような不当に高額な違約金をリース会社から請求された場合は、リース会社の言い値で払う必要はありません。契約内容を精査し、弁護士などの法律の専門家に減額交渉を依頼する選択肢も検討すべきです。専門家が介入することで、法的に妥当な水準まで請求額が引き下げられる可能性があります。

店舗経営者がリース解約で失敗しないための注意点

独断でリース物件を廃棄したり売却したりしない

「どうせもう使わないし、要らないから勝手に捨ててしまおう」「中古屋に売ってお金にしよう」と考えるのは非常に危険です。前述の通り、リース物件の所有権はリース会社にあります。所有者に無断で廃棄したり売却したりする行為は、業務上横領罪などに問われる重大なリスクを伴います。バレないだろうという安易な考えは捨て、必ずリース会社の指示に従って取り扱いましょう。

店舗の退去日が決まる前に居抜き業者へ相談する

リース承継による違約金回避を目指すのであれば、行動のタイミングが命となります。店舗をスケルトン(コンクリート打ちっぱなしの原状)に戻す解体工事が始まってからでは、設備を引き継ぐことは不可能です。スムーズにリースを引き継ぎ、有利な条件で撤退するためには、退去日が確定する前、つまり解約を考え始めた初期段階で、専門の居抜き業者に相談することが鉄則です。手遅れになる前に、まずは無料査定や相談窓口へ問い合わせてみましょう。

設備のリース途中解約に関するよくある質問

Q.違約金の分割払いはリース会社に交渉できるのか

A.違約金は原則として一括払いが求められます。しかし、一括で支払えるだけの十分な現金が手元にない場合、そのまま放置するのではなく、正直にリース会社の担当窓口へ事情を説明しましょう。確約はできませんが、会社の財務状況や誠意ある対応によっては、分割払いの相談に応じてもらえるケースもあります。

Q.リース契約中に店舗を売却することは可能なのか

A.リース期間が残っている状態でも、店舗(事業)を売却することは十分に可能です。ただし、事前にリース会社へ事情を説明し、新しいオーナーへ契約を引き継ぐ「リース承継」の承諾を得るための審査を通過する必要があります。無断で事業譲渡をすると契約違反となるため注意が必要です。

Q.リース満了後は機器をもらえるのですか?

A.リース期間が満了しても、自動的にユーザーのものになるわけではありません。一般的には、月額料金を大幅に下げて使い続ける「再リース契約」を結ぶか、リース会社に物件を「返却」するかを選択します。契約内容によっては残価を支払って「買い取り」ができる場合もありますので、満了前にリース会社へ確認しましょう。

Q.解約合意書にサインした後に取り消しはできますか?

A.原則として、一度双方の合意のもとで解約合意書に署名・捺印してしまうと、後から「やはり解約を取り消したい」と申し出ても受け入れられません。合意書を提出する前に、違約金の金額や退去後の事業計画に無理がないか、十分に社内で検討を重ねることが重要です。

Q.クーリングオフは適用されますか?

A.店舗設備などのリース契約は、事業者(法人や個人事業主)とリース会社との間で結ばれる「商行為」となります。クーリングオフ制度は、一般消費者を保護するための法律であるため、事業者間の契約であるリース契約には原則としてクーリングオフは適用されません。

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この記事を監修した人

三宅 宏通

株式会社ウィット 代表取締役

飲食業界に特化したM&Aサービスを主業とし、2007年株式会社ウィットを設立。

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