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飲食店居抜き売却の引き渡し後トラブル。回避策と「契約不適合責任」を解説

2025-12-25 14:40:27.0 更新


画像素材:PIXTA

居抜き売却により、売主は店舗を手放せるだけでなく、原状回復工事を回避できたり、売却益を得られたりと、いくつものメリットが享受できます。しかし、売却後に買主とトラブルが起こってしまうことも少なくありません。「売却が完了したと思ったら、数百万円の請求が来た」といった事態を避けるために、飲食店売却時によくあるトラブルと、売却前にできる対策をまとめました。

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居抜き売却で買主が決まった後の流れ

居抜き売却では、売主と買主の間で条件が合意に至ったら、「造作譲渡契約」を締結します。この時、造作物の確認リストを作成したり、引き渡し後の設備不良の発覚に備えて「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」の範囲を定めたりします。

その後、買主が貸主と新たな「賃貸借契約」を締結(または家主の承諾を取得)した上で、造作譲渡代金の決済を行うのが一般的な流れです。並行して売主はこれまでの「賃貸借契約」の解約手続きを進めます。すべてが完了後、売主は鍵を買主または貸主に渡し、売却完了となります。

引き渡し後に起きるトラブル例と対策

しかし引き渡しが完了してから、トラブルやクレームが発生することもあります。よくあるケースを詳しくみていきましょう。

■厨房機器の不具合

造作物は機能する前提で譲渡しますが、故障が発覚したり、すぐに壊れてしまったりして、クレームが入ることがあります。多くの場合、「修理に多くの費用がかかるため、負担してほしい」と交渉を持ちかけられるでしょう。

対策として、売却前に動作確認とその記録作成、メンテナンスを行ってください。記録作成時には、メーカーや使用年数、使用頻度、修理歴などの情報も記載します。もし故障や不具合が明らかな場合は最初から申告を。トラブルを避けるためには、売却前に買主自身に動作確認をしてもらうのもよい方法です。

■エアコン、配管などの設備の故障

設備は経年劣化で突然壊れることがあるため、売却前の動作確認時は問題なくとも、その後で故障してしまうことはあり得ます。厨房機器と同様に、使用年数、使用頻度、修理歴も伝えておくと安心です。

また、設備のトラブルで特に多いのは「排水管のつまり」。営業中は全く問題なく流れていたとしても、閉店から売却までに時間がかかると、管の中で油分や汚れが固まってしまい、流れが悪くなってしまうことがあります。そのため、明け渡す前に、排水管の高圧洗浄を行うと安心です。汚れ具合や店舗の立地などにより変動しますが、作業の相場は3万~5万円となります。

■ゴミ、不用品が残っている

営業をしていたときの状態で引き継ぐのが居抜き売却ですが、ゴミの処分は忘れずにしっかり行ってください。「残っていたゴミや私物の処分にかかった費用を負担してほしい」と連絡が入る可能性があります。

また造作譲渡の対象を確認し、明け渡し前の店舗がリストと同じになっていることをチェックすることも忘れてはいけません。これを怠ると、「不用品の処分はどうするのか」「残すと合意していたものまで撤去されている」といったトラブルに発展しかねません。

■周辺店舗からクレームが来た

煙・臭い・音・看板・越境の5つは、近隣とのトラブルにつながることがあります。過去にクレームを受けたことがある、撤退するまでトラブルが続いていたといった場合は、原因や現状などを買主に伝えるべきです。中には所有者が変わったタイミングでけん制してくる近隣の方もいます。「周辺店舗にこんな人がいるなら契約しなかった」とトラブルが大きくならないように、必要に応じて近隣との関係性も共有しておくことをおすすめします。


画像素材:PIXTA

知っておきたい契約不適合責任

「造作譲渡契約」の締結時、引き渡し後の設備不良の発生に備えるために定める「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」とはどんなものでしょうか。

2020年4月に民法が改正され、「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に変わりました。「瑕疵担保責任」では、売主が把握していなかった瑕疵(隠れた瑕疵)が見つかった場合、売主が買主などに対し責任を負いました。しかし、改正後は瑕疵を売主が把握していた、していないに関わらず、契約不適合であれば売主は責任を負わなければなりません。「種類」「品質」「数量」「性能」など、契約内容に合致しないすべての場合が、契約不適合責任の対象となり、責任を問われるのです。

ただし、個人間の売買などでは、売主と買主の合意により、特約でこの責任を免除(免責)することも可能です(売主が知っていて告げなかった不具合を除く)。

契約不適合責任に問われないようにするためには、主に2つのことが重要です。ひとつは、売主は店舗、設備などの調査を徹底し、契約書の内容をよく検討すること。可能な限り免責事項を明記しましょう。もうひとつは、居抜き売買の実績を多く持つ、信頼できる専門業者に仲介を依頼することです。専門家を入れず、物品リストを作ったり、売主と買主が口頭でやりとりしてしまったりすると、その後のトラブルが起きやすくなります。また、免責事項が多いと売買が難航する可能性があるため、専門業者に依頼しておくと安心です。専門家が関与することで、売主と買主の間の認識のズレをなくすことや正しい契約書の作成などができ、売却後のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

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この記事を監修した人

三宅 宏通

株式会社ウィット 代表取締役

飲食業界に特化したM&Aサービスを主業とし、2007年株式会社ウィットを設立。

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