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居抜き売却では、買取希望者が自身の出店が可能な物件なのかを見極めるために「内見」にやってきます。そのため居抜き物件の「内見」ならではのチェックポイントを知り、内見者にアピールすることは、早期かつ、できる限る高額での買取につながるのです。では内見者は一体どんな点を見ているのでしょうか。詳しくご紹介します。
居抜き物件で開業をするメリットは、前テナントが使用していた造作・設備・什器などを引き継いで活用できることです。そのため内見者は、その物件が持つさまざまな性能を知りたいと考えています。また内見は、疑問点や不安なことを現オーナーに直接質問できる貴重なチャンス。そのため売却希望者には、情報開示できることを積極的にアナウンスしたり、質問にできる限り真摯に答えたりすることが求められます。
内見者が特に念入りにチェックするのは「設備面」。店舗運営にダイレクトに関わるものが多いことに加え、引き継いだ設備がすぐに故障してしまい、修繕費用や処分費用がかかるといったことを防ぎたいためです。修繕費用は一般的には、買い手が負担します。けれど、通常の使用を超えるような使用による損耗・劣化であれば、修繕費用の一部負担を交渉したいと考えている内見者も少なくないでしょう。具体的に、内見者がよくチェックしているのは次のような点です。
■電気・ガス・水道・排水は機能しているか
インフラ設備を新設したり、容量の引上げ工事をしたりするとなると、百万円を超える費用が必要になるケースも。照明・冷暖房機器・厨房機器などを十分に稼働させることができるか、不具合は起きていないかといったことの確認を求められます。ガスに関しては、容量を質問されるかもしれません。利用上限のガス容量は必ずしも現状の容量ではないため、可能なら配管を確認しておき、容量アップが可能な場合は伝えてあげましょう。また排水機能に不具合があると、衛生面の問題や害虫の発生につながります。実際に水を流し、問題なく排水できるかもチェックされます。
■業態に適したダクトがあるか
ダクトの設置費用は非常に高額です。同業態で居抜き物件を探している場合は、その業態に適した状態でダクトが設置されていることが期待されます。さらに、十分な機能があるかもチェックポイント。ダクトの不良は店内の環境を悪化させたり、火災のリスクを高めたりもします。吸引力や排気力が落ちている場合、清掃や故障がないかの確認をしておいてください。
■グリストラップ
自治体によって設置の基準は異なるものの、汚水を正しく管理することは店舗全体の衛生を保っていくために欠かせません。定期的なメンテナンスや清掃を続けておきましょう。
■厨房機器のリースが残っていないか
内見者が「手に入る」と思っていた機器が実はリース品だったとなってはトラブルの元。また、引き継いだ設備の中にリース品があると、リース代を払い続けるか、違約金を支払って解約しなければなりません。内見者はリース品の確認を希望するため、売却希望者は、設備のリストを作成するなどして、確実な情報を提供してください。
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さらに、内見者は次のような点もチェックしています。小まめに清掃したり、事前に資料や回答を準備しておいたりすると良いでしょう。
■厨房機器
製造年の確認、動作状況や性能はもちろん、使い込み具合や匂いなども気になるところ。保証書や取扱説明書を保管しているなら、提示しましょう。
■内装
天井、壁、床の汚れや傷み具合はどうでしょうか。内見者はメンテナンスや多少の工事の必要性を理解しているものの、変更箇所が少なければ少ないほどコストを抑えられると考えています。日々の清掃でカバーできる部分はしっかりと対応しておきましょう。
■退去時の原状回復の義務
居抜きで物件を契約できても、手放す時にも居抜きができるとは限らないため、退去時のルールの確認を求める内見者は少なくありません。
■徹底理由
「なぜ撤退するのか」は、内見者が聞き出したいと思っていることのひとつ。ネガティブな情報も可能な限り伝えましょう。内見者にとっては、その情報が経営戦略になるためです。
■害獣、害虫対策
「定期的に駆除対策をしている」といった、取り組みやその必要性も伝えてください。
内見を通して、買取希望者が「ここで営業をしている自分」を想像できると契約につながりやすくなります。そのためには「対策」が大切。準備をしっかりとし、内見当日を迎えてください。
飲食店舗の売却は、募集から1~3ヶ月ほどで売買が完了するケースが多い傾向にあります。
ただし、売却価格や賃料が相場に比べて高い場合には、さらに時間がかかることもあります。
スムーズに売却をするには、募集条件以外に、内装や設備の状態もとても重要な要素になります。
業態別の売却チェックポイントや相場情報が参考になります。
飲食店の店舗売却は、物販店や事務所などのテナントと異なり、内装や設備をそのまま使うことができるという点が大きな特徴です。
また、買手もほとんどが飲食店ですので、立地条件や営業時間の制限など様々な要素を考慮して買取の打診を行います。
その他、原状回復の面でもメリットがあります。
物販店や事務所は、棚やデスクなどの家具類を搬出すると原状に戻せる場合もありますが、飲食店の場合は厨房や床、壁など店内のほどんどを専用に造作しているため、原状回復コストが比較的大きくなります。
居抜きで譲渡すれば、このコストを大幅にカットすることができます。
管理元の不動産会社または貸主に造作譲渡の承諾を取る際には、売却を行いたい理由を明確に伝えたうえで、居抜きで別の方に造作を譲ったり売買をすることが可能なのかを確認する必要があります。
売却ができない理由を詳しく聞くことで、双方にメリットがあるように交渉をすることも可能です。
譲渡の承諾を得る際の交渉方法は状況によりさまざまですので、まずは専門家にご相談することをお勧めいたします。
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