“神戸の玄関口”三ノ宮駅周辺での飲食店店舗売却成功のポイントとは?
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三宮エリアは、JR西日本「三ノ宮」駅、阪神・阪急「神戸三宮」駅、神戸市営地下鉄西神山手線・神戸新交通ポートライナー「三宮」駅、さらに市営地下鉄海岸線「三宮・花時計前」駅と6つの駅が集まる交通の要所。神戸最大の繁華街が形成されており、飲食店にとっては激戦区であり、出店希望者からの注目が高いエリアです。そんな三宮エリアの近年の動向と、店舗売却をする場合のポイントをまとめました。
官民で取り組む再開発が進行中
三宮周辺地区では今、「再整備基本構想」が動き出しています。そもそも神戸市では震災前から再開発計画があったものの、震災後は復旧・復興を優先してきたため、大阪市や京都市などに比べ再開発が遅れたことが懸念されてきました。そこで、観光スポットとしての定着、雇用の創出や経済活性化を視野に再開発がスタート。市では、投資額は民間事業も含めて7440億円にもなる巨額プロジェクトを計画しているとしています。
その第一弾として2021年春にオープンしたのが、商業施設・オフィス・ホテルからなる駅一体型・複合施設「神戸三宮阪急ビル」です。2029年度にはJR西日本が高さ約160メートルの三ノ宮新駅ビルを開業する計画もあり、神戸の食文化などを発信する商業施設やホテル、オフィスなどの入居が予定されています。そして駅前には広場や歩行者デッキを設け、回遊性を高めることを狙うようです。
再整備の波に寄り、商店街「三宮センター街」では老朽化したビルの建て替えを検討中。地下街「さんちか」では大規模リニューアル工事が始まっています。また、三宮の西隣にある元町エリアでも再整備が検討されており、まちづくりの議論が活発化。三宮地区は、近隣も含め、生まれ変わろうとしています。
神戸市は飲食店開業を積極的に後押し
神戸市では、「神戸市×阪急オアシス『食のスタートアップ支援事業』」が続いています。これは、阪急オアシス神戸三宮の店内の一区画を賃貸料なしで4カ月間提供し、神戸市内での飲食店出店へのチャレンジを促す取り組み。店舗設計や新メニュー開発などを専門家に無料で相談できたり、神戸市のプレスリリースや(公財)神戸市産業振興財団ホームページ・SNSなどにより広報発信されたりと支援が充実しています(2025年の支援内容)。
神戸市が飲食店事業に対して熱意を持ち、実店舗の開店を目指す個人・法人のサポートに熱心に取り組んでいることで、三宮エリアの飲食店物件への関心は自然と高まっていると想像できます。
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三宮エリア、居抜き物件売却のポイントは?
繁華街からショッピングエリア、オフィスエリアまで混在する三宮エリアには、さまざまな人が集まっています。売却を検討する際には、自店の周辺環境と客層の情報を提供できると良いでしょう。
特に重要視されるのは、環境の変化。再開発が進む中、飲食店にどんな変化が起きているかは、出店を検討している人にとって貴重な情報です。たとえば、内外のファッションブランドが路面店を構える「旧居留地」では、新築分譲マンションの建設が進む他、船だまり約3ヘクタールを埋め立てて飲食や音楽などが楽しめる施設の誘致が進んでいます。街並みの変化は、飲食店を利用する層、店舗コンセプト、単価…すべてが変化する可能性を含んでいます。買取希望者が経営計画や具体的な出店イメージを持てるように情報提供することで、決断を後押しできるでしょう。
古い物件でも売買は成立する
居抜き売却に関し、よくある誤解は「新しい物件が高く売れる」というもの。査定に影響を与えるのは、物件が新しい・古いではなく、需要があるかどうかです。つまり、買い手が望む物件は査定額がよい傾向があります。たとえば駅近にある、路面店、視認性が高い、使い勝手の良い間取りをしているなどです。さらに、造作譲渡により高価売却につながることも考えられます。
エリアの特性と市場の変化を味方に付けて売却をするためには、プロに相談するのが1番。居抜き売却に関心のある方はぜひ一度、専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。