カフェを居抜きで売却！ 高く売るポイントと売却時の注意点を解説
画像素材：PIXTA
業態別に居抜き物件売却のコツを紹介していきます。今回は「カフェ」を居抜きで売却するときのポイントや注意点をまとめました。
カフェは売却しやすい業態？
飲食店の数ある業態の中でも、カフェや喫茶店は居抜き売却がしやすいと言えます。その最大の理由は、開業希望者が多いことです。また、1階路面店の場合、雰囲気のよいカフェがあることは建物全体の印象を良くするため、家主がカフェ同士の居抜き売買に積極的な傾向があることも、成約を後押ししているようです。
カフェを高く早く売却するコツは？
早速、カフェの居抜き物件の売却価格を左右し得るポイントをみていきましょう。
【1】立地
飲食店の集客・売上には立地条件が影響します。特にカフェの場合は、立地が良いとカフェの「単価が低い」という弱点を集客数でカバーしやすくなるため、高額売却につながることも。
ただし、カフェ経営における立地の良さは、繁華街や駅前を指すとは限りません。大手チェーン店にとっては繁華街や駅前が好立地ですが、個人が出店する場合は、繁華街や駅前から少し離れていて賃料を抑えられる場所が好立地になる傾向があります。自店の立地を強みにできる売り出し方をすることが重要です。
【2】コンセプト
居抜き物件を買収するメリットは、そのまま残っている設備や内装をいかし、出店費用を抑えられること。スタイリッシュ、アットホームなど、オーナーがこだわって作り上げた店舗コンセプトが、立地条件やターゲットと合致していることは買い手にとって魅力です。
また、カフェは専門性を前面に出した店舗の開業を考えている人が多いため、コンセプトが明確な店舗は買い手の関心を引きやすいと言えます。
【3】転用性の高さ
買い手は売り手とは異なる業種・業態での開業を目的にしているかもしれません。油を使う調理をほとんど行わず、煙や強いにおいが出ることが少ないカフェは、転用がしやすく、評価が高くなる傾向があります。
【4】清潔さ
どんな業態・業種であっても、清潔さが保たれていなければ売却は成立しにくいもの。特にゆったりと時間を過ごす場所でもあるカフェでは清潔感が欠かせないため、重要なポイントです。日頃からの内装や厨房機器などの清掃の積み重ねが大切に。たとえ内装やコンセプトが買い手の理想と異なっていたとしても、清潔であることはプラスになります。
【5】営業データ
付加価値となる情報があると、買取希望者は開業後のイメージがしやすくなるので、判断がしやすくなります。エリアの特徴や顧客層、集客しやすい時間帯や曜日、競合店の情報などを伝えられると良いでしょう。好立地とはいえない場所に店舗がある場合、貴重な情報になりますし、好立地でも競合店が多いことで売却に苦戦することもあり得るため、情報はぜひ準備しましょう。
【6】機器・設備
エスプレッソマシンやグラインダーなど、カフェに必要な機器が譲渡対象であると高評価につながります。
画像素材：PIXTA
売却前に注意しておきたいこと
カフェを売却するにあたり、注意しておきたいのは次のことです。
■リース・レンタル品の確認
エスプレッソマシンやコーヒーマシンをリース・レンタルしている場合、自社の資産ではないため譲渡できません。リース・レンタル品と譲渡対象になる物を明確に分けておきましょう。特に営業中に内見を行う場合は、リース・レンタル品が譲渡対象に含まれると思われるようなことがないように気をつけましょう。
■ガスの引き込みはあるか？
ガスを使用しないカフェは珍しくありませんが、ガスを必要とする別業態が買い手になることがあります。その場合、ガスの引き込みがあれば高額での売却につながります。
■グリストラップはあるか？
カフェはグリストラップを設置していなくても開業時の保健所の審査を通るため、設置していない店舗もあるでしょう（条例で設置が義務付けられている地域もあります）。ガスの引き込みと同様で、別業態に転用されるとなると、グリストラップが設置されている物件の方が高額で売却できる傾向があります。
高額売却のコツや注意点を見ていくと、「カフェとしての強みを押し出す」「転用できることを売りにする」など、売却成立のために「自店の何を強みとしていくべきか」が見えてくると思います。店舗の特徴やこだわりを明確にし、アピールしていきましょう。
