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開業時にいくつもの手続きをしたように、廃業時にもいくつもの手続きが必要です。必要な手続きや届出が漏れてしまうと、後々請求が発生したり、呼び出し状が届いたりすることも……。廃業を決める前段階から手順とポイントを知っておきましょう。
飲食店は、衛生管理や防火管理などをするため、開業時にさまざまな行政機関に届出をして監督を受けながら営業をします。廃業時には、経営者は該当する行政機関に廃業の届出をします。
■保健所
廃業届を店舗のある地域の保健所に廃業日から10日以内に提出します。保健所や自治体のホームページから書類をダウンロードできます。書類記入時、営業許可番号がわからない場合、食品営業許可証を見てみましょう。
営業許可書の返納も行います。紛失した場合、紛失届の手続きが必要な地域があれば、廃業届を提出で対処してくれる地域もあるようです。
■警察署
「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出している場合は、「廃止届出書」を廃業日から10日以内に提出します。警察署ホームページから書類を入手します。
「風俗営業許可」を得ている場合、返納理由書とともに許可証を返納します。これも10日以内にします。怠ると30万円の罰金に処せられる可能性があります。
■税務署
「個人事業の廃業届出書」の他、従業員を雇っている場合は「給与支払事務所等の廃止届出書」、消費税の課税事業者の場合は「消費税の事業廃止届出書」を提出します。青色申告で確定申告を行っている場合は、取りやめする年の翌年の3月15日までに届を申請します。届出をしないと追徴課税などの通知がくる場合があります。
■公共職業安定所
雇用保険に加入している場合、「雇用保険適用事業所廃止届」「雇用保険被保険者資格喪失届」「雇用保険被保険者離職証明書」の3つの届出をします。雇用保険適用事業所廃止届は廃業日から5日以内に手続きをします。
■日本年金機構(年金事務所)
雇用保険や健康保険に加入している場合、「雇用保険適用事業所廃止届の事業主控」のコピーと「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」を廃業日から5日以内に提出します。期限が短いため、廃業を予定している場合、前もって保険の加入状況を確認しておきましょう。
■労働基準監督署
労働保険に加入している場合は、「労働保険確定保険料申告書」を営業終了日から50日以内に提出します。都道府県労働局でも提出可能です。
従業員に係る手続きを怠ると、その家族にも影響が及ぶことがあります。しっかり行ってください。また手続き期限が廃業日から5日以内と短いのは、公共職業安定所と年金事務所での手続きです。注意しておきましょう。
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個人事業主にとって、事業の借入金は事業主個人の借金です。そのため廃業をしても返済する義務があります。預金等の資金があれば、その資産で返済をします。資金が十分でない場合、債権者と交渉をします。
法律上は「期限の利益」といって、廃業時には残金を一括で払う取り決めがされていることがほとんどです。しかし債権者はできるだけ多く回収するために分割払いの交渉に応じてくれるケースは少なくありません。
自己破産を選択する場合でも費用はかかります。目安は裁判所に支払う実費が約3~50万円、弁護士費用が約30~50万円ほどです。
法的な手続き以外にも大切なことはたくさんあります。スケジュール管理をしながら進めていくことをおすすめします。
■リース品返却とリース会社との精算
ビールサーバー、おしぼりウォーマーなどのリース品は基本的には返却します。返却方法やタイミングなどはリース会社に直接確認しましょう。
■物件貸主と管理している不動産管理会社へ解約の通知
解約通知は解約予定の数ヵ月前までに書面で提出するのがほとんどです。逆算をして行動しましょう。
■従業員への廃業の通知
解雇の30日以上前に行わなければいけません。ただ、従業員の準備期間が少しでも長くなるように閉店が確定したら伝えるのがよいでしょう。
■電気、ガス、水道の解約と店舗総合保険の解約
簡単な手続きだからと後回しにして忘れがち。廃業後に請求が届いたりしないように確実に行っておきましょう。
■仕入れ業者への連絡
廃業を伝えることで支払条件が変わる例も。真摯に事情を説明しましょう。
■お客さまへのあいさつ
「久しぶりに行ってみたら閉店していた!」というのは悲しいものです。感謝を込めて告知しましょう。
はじめて廃業を経験する方がほとんどのはず。疑問点や不安なことは行政機関等に早めに問い合わせをして解決しましょう。心身ともに負担を無くすため、スムーズな手続きを目指しましょう。
飲食店舗の売却は、募集から1~3ヶ月ほどで売買が完了するケースが多い傾向にあります。
ただし、売却価格や賃料が相場に比べて高い場合には、さらに時間がかかることもあります。
スムーズに売却をするには、募集条件以外に、内装や設備の状態もとても重要な要素になります。
業態別の売却チェックポイントや相場情報が参考になります。
飲食店の店舗売却は、物販店や事務所などのテナントと異なり、内装や設備をそのまま使うことができるという点が大きな特徴です。
また、買手もほとんどが飲食店ですので、立地条件や営業時間の制限など様々な要素を考慮して買取の打診を行います。
その他、原状回復の面でもメリットがあります。
物販店や事務所は、棚やデスクなどの家具類を搬出すると原状に戻せる場合もありますが、飲食店の場合は厨房や床、壁など店内のほどんどを専用に造作しているため、原状回復コストが比較的大きくなります。
居抜きで譲渡すれば、このコストを大幅にカットすることができます。
管理元の不動産会社または貸主に造作譲渡の承諾を取る際には、売却を行いたい理由を明確に伝えたうえで、居抜きで別の方に造作を譲ったり売買をすることが可能なのかを確認する必要があります。
売却ができない理由を詳しく聞くことで、双方にメリットがあるように交渉をすることも可能です。
譲渡の承諾を得る際の交渉方法は状況によりさまざまですので、まずは専門家にご相談することをお勧めいたします。
居抜き情報.COMではお電話でのご相談も承っております。
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