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飲食店を閉店する際、従業員にどう告知すべき? 解雇の条件や伝え方、手続きを解説

2024年5月9日 更新


画像素材:PIXTA

新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込み、閉店を余儀なくされている飲食店も少なくありません。長年店を支えてくれた従業員へ、解雇を告げなければならないことは、経営者にとっても辛いものです。しかし、きちんと伝えなければ、従業員とのトラブルに発展する可能性もあります。どのようなタイミングでどう伝えるべきか、解雇を伝える際のポイントや注意点について解説します。

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解雇には「懲戒解雇」と「普通解雇」がある

従業員に辞めてもらう「解雇」には、大きく分けて「懲戒解雇」と「普通解雇」の二種類があります。

一つ目の「懲戒解雇」は、従業員が企業秩序に違反し、円滑な運営を妨害した際に、店側から従業員の雇用契約を解除することを指します。具体的には、業務上の横領、重要な業務命令の拒否、パワハラやセクハラなどが、懲戒の理由として当てはまります。

二つ目の「普通解雇」は、従業員が本来の労務を提供できない、もしくは店側が労務の提供を受領できない場合に、店側から従業員の雇用契約を解除することを指します。「従業員が本来の労務を提供できない」場合とは、病気やケガなどで働けない、遅刻や無断欠席が多い、職務遂行能力に欠けているなどの理由が当てはまります。

「店舗側が労務の提供を受領できない」場合とは、経営状態の悪化などが当てはまります。経営状態の悪化により人員を整理するための解雇は、普通解雇の中でも「整理解雇」と呼ばれています。

整理解雇を行うために必要な4つの条件

経営が悪化したからと言って、すぐに従業員を解雇できるわけではありません。整理解雇を行うためには、以下の4つの条件を満たす必要があります。

1)経営上の必要性
倒産寸前に追い込まれているなど、整理解雇をしなければならないほどの経営上の必要性が客観的に認められること。

2)解雇回避の努力
配置転換、出向、希望退職の募集、賃金の引き下げその他、整理解雇を回避するために、会社が最大限の努力を尽くしたこと。

3)人選の合理性
勤続年数や年齢など解雇の対象者を選定する基準が合理的で、かつ、基準に沿った運用が行われていること。

4)労使間での協議
整理解雇の必要性やその時期、方法、規模、人選の基準などについて、労働者側と十分に協議をし、納得を得るための努力を尽くしていること。

経営状況が悪化したという事実に加え、従業員に対しての十分な説明や協議をすることが必要な条件となります。労使間での協議を十分に行わないと、閉店前に従業員が一斉に辞めてしまったり、解雇してから労働問題でのトラブルが発生したりすることも考えられるでしょう。



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解雇通告は30日前までに書面で伝える

閉店することが決まったら、解雇する旨を従業員に伝えなければなりません。通常の企業であれば、従業員全員を集めて説明会などを行うのが一般的ですが、シフト制で働いている場合、従業員全員を同時に集めることは難しいでしょう。

その場合は、従業員の混乱を防ぐためにも「解雇予告通知書」を作成して、解雇の旨を伝えましょう。整理解雇の理由や時期、条件などを書面にきちんと記載し、従業員一人ひとりに納得してもらえるよう説明することが大切です。

また、解雇通告から解雇するまでには、30日以上の日数が必要であることが労働基準法で決められています。それに満たない場合は、「解雇予告手当」として30日に満たない日数分の平均賃金を支払わなければなりません。解雇を告げることを先延ばしにすると、こういった損失も発生するので注意しましょう。

突然の解雇通知は、従業員の説明やモチベーション低下にもつながり、閉店するまでの営業すら危うくなってしまいます。最低でも30日前までには解雇の旨を伝え、閉店までの残りの営業を問題なく続けられるよう、十分な説明を行いましょう。

閉店後の従業員解雇に伴う手続き

従業員を解雇して閉店した後にも、従業員の解雇に伴った手続きが多く発生します。例えば、従業員を雇って雇用保険に加入している場合は、公共職業安定所、日本年金機構、労働基準監督署へ書類を届け出る必要があります。これらの手続きには、閉店日を起点にして提出期限が決められているので、期限を過ぎないよう十分に注意しましょう。

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