居抜き売却で店舗の価値を高めるポイントは?オンライン査定の活用法も紹介
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飲食店売却を考えている方が一番気にしていることは、当然査定額でしょう。「古い店舗だから安くしか買ってもらえない」「内装にはこだわったから高く売れるはず」など、いろいろと思いを巡らせているのではないでしょうか。そこで、物件の査定の方法と査定額を高めるためのポイントをまとめました。
居抜き売却はオンライン査定も受けられる
店舗の査定と聞くと、専門スタッフが訪ねてくることを想像すると思いますが、コロナ禍以降はオンライン査定が定番です。入力画面に従って情報を入れていくだけという手軽な作業で査定額の目安を知ることができます。さらに、いつでも査定ができる、スピーディに結果が分かることもオンライン査定のメリットでしょう。
オンライン査定サービスを提供する企業は複数あります。しかし、サービスを提供している会社に蓄積したデータがないと、市場の動きをとらえた査定額は出ません。そのため、査定前にサービスの提供元がどんな企業かを確かめることをおすすめします。また、1社を活用して終わりにするのではなく、いくつかのサイトで査定をしてみるとよいでしょう。注意したいのは、オンライン査定で得られるのは査定額の目安ということ。最終的な査定価格を知るには現地での査定が不可欠です。
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物件の査定のポイントは?
では、査定時にはどんなところをチェックされるのでしょうか。実は築年数が浅い物件やコストをかけた内装であっても、高価査定になるとは限りません。大きく影響するのは「需要があるかどうか」です。買い手にとって魅力的であれば査定額は高くなり、そうでなければ低くなります。具体的にポイントを見ていきましょう。
■立地
立地のよさは多くの飲食店開業者にとって魅力的です。そのため、繁華街など人通りが多い場所に面した物件をはじめ、立地に優れていると高値がつきやすいでしょう。一方、人通りがない、視認性が悪い店舗は立地が悪いとされ、買い手がつきにくく、安価になる可能性があります。
とはいえ、買い手からすると、立地の良い物件は家賃が高額であることが悩みの種。最終的には、条件と家賃のバランスを考慮し、物件を選ぶはずです。このとき重要なのが「データ」です。地域の特性や人流の傾向などのデータは物件を選ぶ際に非常に役立つ情報なので、提供し、物件の価値を高めましょう。
■面積
お店の広さを決める時には、「コンセプト」はもちろんのこと、「キッチンとホールの割合」や「席数」などから検討するのが一般的です。ですが、店舗が大きければ大きいほど、経営・運営の難易度は上がります。10~20坪程度で物件を探す方が多いようです。
■間取り
広さとともにチッェクされるのが「間取り」です。店内の動線はどうか、座席を効率的に配置できるかといった点が重要視されます。坪数が理想的であっても、使い勝手の悪い店舗では残念ながら買い手に喜ばれないでしょう。間取りの悪さがあっても、対策をして乗り切ってきた場合、その情報をアピールしてください。弱点をカバーできることが分かれば査定額にもプラスに働く可能性があります。
■造作の状態
居抜き売却は、内装や設備を営業していたときの状態そのままに売却をします。そのため、売り手はスケルトン工事をせずに済みますし、設備などの処分コストがかかりません。買い手は初期投資を抑えられるし、開業までの時間を短縮できることがメリットとなります。
壁・床・天井などの内装、厨房設備、ダクトやグリース・トラップなどの設備などあらゆるものが売却の対象となります。査定では、1点1点に価格が付くわけではなく、対象物をひとまとめにしたときの価値が価格に反映されます。そのため、店舗を手放すと決めても日々の清掃や点検を怠らないこと、居抜き売却の査定を受ける前に厨房機器の買取専門業者に売却しないことが大切です。また、売り手と買い手で造作譲渡の対象物の認識にズレが生じないように、リスト化するなどして管理しましょう。
上手に売却を成功させるには、査定額の設定が非常に重要です。居抜き市場に詳しい業者のサポートを受け、進めていくことをおすすめします。