「飲食店経営に疲れた」悩む時にできることは?挽回方法や選択肢を解説
画像素材:PIXTA
飲食店経営はやりがいに満ちている一方で利益を出しにくく、非常に難しいといわれています。厳しい状況に立たされたり、試行錯誤を繰り返したりしながら、毎日を過ごす経営者もいることでしょう。そんな中で「飲食店経営に疲れた」と感じている方に向け、対応策をまとめました。
飲食店経営に疲れる理由
飲食店経営に疲れてしまう原因は多々ありますが、以下のことは多くの店舗に当てはまるのではないでしょうか。
■日本の飲食店はレベルが高い
飲食店経営を難しくする原因のひとつは、店舗数の多さだけでなく、レベルの高さにもあるでしょう。営業を続けている店舗は、どこも多くの利用者がある程度満足できるクオリティです。その中で常連をつけ、新規顧客に選ばれる店になろうとすれば、常に緊張感を持って経営をし続けなければなりません。また、競争の中でも繁盛といえる状況が続かなければ順調な経営はできず、経営者が心身ともに疲弊してしまうのも無理はありません。
■ワークライフバランスが取りづらい
飲食店は「人が足りない」「人を増やせば人件費が増えてしまう」「勤務時間が長い」といった問題を抱えがちで、経営者・従業員ともにワークライフバランスが悪くなりがちです。しかし、「飲食業界はブラックなのが当たり前」という考え方は過去の話であり、近年では脱ブラックが求められたり、ホワイト化しようと取り組んだりする飲食店経営者は増えています。一方で、従業員が働きやすい環境づくりに取り組むほど経営が難しくなり、経営者が頭を抱えることもあるようです。
厳しい・疲れる経営状況を打開するための対策は?
飲食店経営は確かに大変ですが、次のような工夫を取り入れることで状況を改善できるかもしれません。
■デジタル化を進める
さまざまな業務をデジタル化していくことは、人手不足対策や業務効率の化加速につながります。具体的には、オンライン予約システム、セルフオーダーシステム、キャッシュレス決済、シフト管理アプリ、顧客データ管理システム、在庫管理システムの導入などが考えられるでしょう。予約・注文・会計時の手間や混雑は、顧客が不便を感じやすいところでもあるため、デジタル化を積極的に検討することをおすすめします。
■メニュー数を見直す
売上回復のために新メニューを投入、顧客のリクエストに応えてメニューを追加……。良かれと思って続けているうちに、気付けばメニュー数が膨大になっているケースがあります。メニュー数が多いことは、「在庫管理の負担が増える」「オペレーションの効率が下がる」「看板メニューが生まれにくい」などの理由から、店舗にとってマイナス点にとなる場合も。メニュー数が多いと感じる場合は、段階を踏んで減らしてみましょう。
■コト消費を取り入れる
これまでは「プロの料理を味わえる」場所が飲食店でした。しかし近年では「レジャー性」や「非日常感」を求める利用者が増えています。かといって、大掛かりな業態変更やイベント企画といった決断・実行は簡単ではありません。そこで、「焼く」「包む」「混ぜる」「飾る」などの特定の工程を顧客に託し、特別感を生み出す店舗が出てきています。これまでとは異なる視点で差別化を考えてみるのも良い方法です。
画像素材:PIXTA
心機一転スタートを目指し、居抜き売却も選択肢に
このまま店を続けては心身ともに限界が来てしまうということもあるでしょう。そこで知っておいていただきたいのが、「居抜き売却」。居抜き売却とは内装や設備を営業していたときの状態で売却することです。
撤退する場合、一般的には店舗をスケルトンに戻す必要があるため、原状回復工事費用が必要です。さらに、解約の申し出から工事が完了するまでの賃料である解約予告期間賃料などを支払う必要があり、まとまったコストがかかります。一方で、居抜き売却ができれば工事費用が発生しませんし、空家賃の支払い期間を短縮することが可能です。さらに造作売却による追加利益の可能があり、再スタートのための軍資金を得ることもできるため、非常に前向きな閉店といえるでしょう。
ただし、居抜き売却には「造作譲渡付」と「現状引き渡し」の2つの方法あり、個人で進めるのは簡単ではありません。専門的なサポートをしてくれる業者に相談することが成功への近道です。